確定申告37万円の納税から始まった、私の「税金の旅」

はじめに

今年、人生で初めて確定申告に挑戦しました。

きっかけは、昨年亡くなった父からの相続です。父が所有していたマンションをいくつか引き継いだことで、サラリーマンとして給与をもらいながら、不動産収入も得るという、少し複雑な立場になりました。

「確定申告って、自営業の人がやるものでしょ?」と思っていた私が、書類と格闘し、税金の仕組みを学び、そして自分のお金と本気で向き合うことになった体験をお伝えします。

亡き父から引き継いだ不動産

父が遺してくれたのは、いくつかのマンションの部屋でした。生前、父は几帳面にそれらを管理していましたが、突然の別れで、気がつけば私がその管理を引き継ぐことになっていました。

相続手続きに追われながらも、「賃貸収入があるなら確定申告が必要」と税理士さんに言われ、初めて確定申告の用紙を手にしたのが今年の1月のことです。

父への感謝と、少しの焦りを抱えながら、書類の山と向き合いました。

マンションの部屋ごとに所得を記入…これが想像以上の手間

まず驚いたのが、不動産所得の申告はマンションの戸数ごとに所得を記入しなければならないという点です。

部屋が複数あれば、その分だけ家賃収入・管理費・修繕費などを一つひとつ整理して記載する必要があります。「まとめて書けばいいんでしょ?」と思っていた私には、これが最初の洗礼でした。

さらに、減価償却(建物の価値が年々目減りする分を経費として計上できる制度)の計算も加わり、これがまたひと苦労。建物の構造・築年数・取得価格から償却率を出し……と、慣れない数字の羅列に何度もため息をつきました。

「父はこれを毎年税理士さんに頼んでいたのか……」と、その判断の賢さを改めて実感しました。

実は、今回あえて税理士に依頼しなかったのには理由が二つあります。一つは費用を節約したかったこと、もう一つは自分で税金の仕組みを理解したかったこと。「誰かに任せっきりでは、いつまでも自分の資産のことがわからない」という思いがありました。その分、苦労も相応でしたが😅

給与所得との損益通算にチャレンジ

複数の部屋の収支を合計した結果、不動産所得全体ではある程度の損失も出ていたため、給与所得との損益通算を行いました。

損益通算とは、一方の収入で出た損失を、もう一方の収入と相殺して、課税対象の所得を減らす仕組みです。「これで少し税金が戻ってくるかも?」と期待していたのですが……

結果:37万円の追加納税

計算の末に出た答えは、37万円の納税でした。

損益通算をしてもなお、まとまった税額になりました。正直、想定よりかなり大きな金額で、思わず電卓を持ち直してしまいました。

サラリーマンとしての給与は毎月源泉徴収されているので「払いすぎた分が還付されるかも」くらいに考えていたのですが、不動産収入が加わると話は別でした。

「不労所得」でも経費はあまり使えない、という現実

今回の申告を通じて気づいたのが、不動産所得は個人事業主と同じ区分で申告するにも関わらず、経費として認められる範囲が思ったより限られているという点です。

たとえば、サラリーマンの場合は「給与所得控除」という形で自動的に一定額が差し引かれます。一方、不動産所得では実際にかかった経費(管理費・固定資産税・修繕費・減価償却など)を一つひとつ証明しながら計上する必要があります。

「不労所得だからラクそう」というイメージがありましたが、実態は個人事業主に近い手続きが求められ、かつ使える経費の種類も限定的。「不労」なのは体だけで、書類仕事は全然楽じゃない、というのが正直な感想です😅

申告を終えて、気づいてしまったこと

苦労の多かった確定申告でしたが、得たものもありました。

「税金ってどの収入にかかるの?」という素朴な疑問に、自分で向き合えたことです。

給与所得と不動産所得は、合算されて課税される
損失があれば損益通算で相殺できる
所得が増えれば税率も上がる(累進課税)
源泉徴収はあくまで「仮払い」であって、年間の精算が確定申告

こうした仕組みを、書類を書きながら体で覚えていく感覚は、なかなか貴重な経験でした。

ただ、同時にこんな思いも生まれていました。

「税金って、こんなに持っていかれるものなのか。そして、自分はまだ何もわかっていない。」

「少しだけ」わかったからこそ、もっと知らなければいけないことがある——その事実も、くっきりと見えてきてしまったのです。

竹花氏のユアユニで、本格的に学ぶことにした

「なんとなく損をしている気がする」という漠然とした感覚を放置しておくのが嫌で、体系的に税金や資産について学べる場を探していたところ、たどり着いたのが竹花貴騎氏のオンラインスクール「UR-U(ユアユニ)」でした。

オンライン講義を受けながら知識を深めていくうちに、長年なんとなくスルーしてきた「お金の構造」が、少しずつクリアに見えてきました。

会社員のお金が残らない、シンプルな理由

ユアユニで学んで最初に腑に落ちたのが、会社員の収入構造についてです。

給与収入から、まず各種控除が差し引かれ、残った所得に対して税金がかかります。手元に残ったお金から、今度は生活費・家賃・食費・交際費……と出費が続いていく。

図にするとシンプルですが、これを見た瞬間「そりゃ貯まらないわ」と思いました。

収入控除課税所得税金手取り生活費・出費残るお金(ほぼゼロ)

そして、もう一つ重要なことがあります。

会社員の税金は、自分でコントロールできない。

源泉徴収によって給与から自動的に引かれる仕組み上、個人が税額を調整する余地はほとんどありません。これが、会社員として働き続ける上での、構造的な限界です。

では、どうするか——「業務委託」という選択肢

「副業で収入を増やせばいい」と思うかもしれませんが、会社員は就業規則で副業を禁止されているケースが多いのが現実です。

では、どうするか。

一つの答えが、「社員」ではなく「業務委託」として働くという発想の転換です。

会社側にとっても、社員を雇用するより業務委託の方が、社会保険料の負担がなくなるメリットがあります。一方、個人側は委託料として「事業所得」を得る立場になります。

ここが大きなポイントです。

事業所得になると、経費が使える

雇用される「給与所得」と違い、事業所得には経費の概念があります。

仕事に使ったパソコン、通信費、書籍代、打ち合わせの交通費——これらを正しく経費として計上することで、課税される所得を合法的に圧縮できます。

さらに重要なのが減価償却の考え方です。
高額な機器や備品などは、一度に全額を経費にするのではなく、使用年数に応じて少しずつ費用として計上する仕組みです。
確定申告で不動産の減価償却に苦労した経験が、ここで活きてきました。
これを正しく理解して活用するだけで、税負担は大きく変わってきます。

「経費を使う=ムダ遣い」ではなく、「正しく経費を使う=利益を守る」という発想が、事業所得者には求められます。

赤字の事業があるなら、損益通算を活用する

もし副業や事業の一つが赤字になったとしても、悲観する必要はありません。

損益通算という制度を使えば、ある所得の黒字と別の所得の赤字を相殺して、全体の課税所得を減らすことができます。

今回の確定申告で不動産所得の損失と給与所得を損益通算した経験がまさにこれです。
完全にゼロにはなりませんでしたが、それでも通算しなかった場合より税負担は確実に軽減されました。
複数の収入源を持つことは、リスク分散だけでなく、税務上の恩恵という側面でも大きな意味があるのです。

結局、大事なのは「タックスプランニング」

ここまで学んできて、最終的に行き着いた結論はシンプルです。

しっかりとタックスプランニング(税務計画)をすること。

税金は「払わされるもの」ではなく、「正しく理解すれば、ある程度コントロールできるもの」です。経費の使い方、所得の種類、損益通算の活用——これらを事前に計画しておくかどうかで、手元に残るお金は大きく変わってきます。

おわりに

父が遺してくれた不動産は、ありがたい資産である一方、管理・申告・納税という責任も一緒についてくるものだと実感しました。そして、37万円という納税の重さが、私を「正しく知ること」へと動かしてくれました。

会社員として安定した収入を得ながら、税金の仕組みを理解し、自分の資産を守る——それは決して難しいことではなく、正しい知識を持つかどうかの差だと感じています。

まずは知ること。そして、計画すること。

37万円の納税から始まった私の「税金の旅」は、まだまだ続きそうです。

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